生成AIなどの情報技術の発展を取り入れているか?
■生成AIなどの情報技術の発展を取り入れているか?
生成AI(Generative AI)は、2022年にOpenAIが発表したChatGPTをきっかけに急速に普及しました。この技術は、テキスト・画像・音声などを対話式で自律的に生成できるもので、ディープラーニングの発展によって飛躍的に性能が向上しました。
生成AIに限らず情報技術の進化・発展はきわめて速く、DX(デジタル・トランスフォーメーション)と言われるように、企業ビジネスの変革・拡大も情報技術をベースとしたものが必須となってきています。
生成AIも含めたDXは、企業や社会を3つの点で大きく変えると考えます。
①データの蓄積・学習:スピーディかつタイムリーな知識の入手と解決案の創造が可能となります。
②データの編集可能性:デジタル化で業界や分野を超えた連携が可能となり、多様なデータをダイナミックに編集できるようになります。
③自動化・自律化:人は機械的労働から解放され、生産性が高まり、機械にはできない創造的な仕事に注力できるようになります。

生成AIやDXなどのキーワードは、誰もが知る「耳タコ」のバズワードと思われがちです。しかし、その普及の本質的な影響を自分たちのビジネスに照らして真剣に考えている企業や組織は、そう多くありません。
技術主導のモノづくりでも、DXの波で大きな変化が起こっています。改善・改良レベルの製品企画なら、生成AIを使えば今までの10分の1のマンパワーとリードタイムでできる、しかも成功確率はかなり高くなる、といったレベルの話は、既にどの業界でも耳にします。特に食品、日用雑貨、耐久消費財など、人・組織同士のすり合わせを中心に企画を進めてきた業界ほど、生成AI導入のインパクトが高いようです。
先に述べた顧客価値の創造、およびそれを実現するビジネスモデルの進化や競争は、生成AIをはじめとする情報技術によって加速化されています。たとえば自動車のテクノロジーの中心は、燃焼機関から電動化やデジタル化に大きくシフトし、グローバル競争が激化していますが、その中で米国サンノゼに本社を置くCadence Design Systems (ケイデンス・デザイン・システムズ)は、自動車のデジタルシステムの設計デザイン、シミュレーションなどのソリューションビジネスで急成長しています。自動車というモノづくりの中のデジタル化に特化したビジネスモデルで成功しているのです。こうした付加価値が高い領域でも、旧来のモノづくりからデジタル化へのシフトが起きている、もっと具体的に言えば、情報とおカネの流れが、デジタル化に専門に取り組む企業へと急速にシフトしているのです。
このようなデジタル化によるビジネスモデルの変革は、電機、自動車、半導体などの組み立て加工業にとどまらず、化学、金属などの素材ビジネスにまで拡大してきています。たとえば、材料や化学品の電子商取引(EC)サイト運営では、Knowde(ノード)やBuyChemJapan(バイケムジャパン)が成長しています。これらの企業の強みは、データベースとECサイト、マーケットプレイスを組み合わせることで、各種の材料データからユーザー企業のニーズや開発情報の一部を獲得していることです。近年では、AIによる解析やシミュレーションを組み込んだサービスもあり、より詳細なユーザー企業の生産・開発・課題に関する情報の獲得が可能になっています。

これまでの例でもわかるように、モノづくりそのもののデジタル化・情報ビジネス化は、日に日に進んでいます。「デジタル化なんて、そう簡単に技術主導のモノづくり業界には入ってこないだろう」という考えは全く通用しません。むしろ技術主導のモノづくり企業こそ積極的にDXを進め、独自の顧客価値デザインとビジネスモデル構築をリードできなければならないのです。