■顧客提案・コミュニケーション計画
仮説検証としての顧客提案を行なうにあたっては、以下のような「顧客提案・コミュニケーション計画」を立てましょう。計画をしっかりと立てて実行し、その結果を分析することが検証活動を効果的なものとします。
①提案対象顧客のリストアップと戦略的視点での分類
提案対象の顧客をリストアップする際は、現時点での自社との取引の有無を考える必要はなく、技術マーケティング戦略仮説の企画・検証に必要かどうか、という観点から行ないます。リストアップしたら、それをタイプ別に分類します。例えば、市場情報を収集するための「情報収集目的顧客」、互いの発展を目指す「戦略的関係性構築目的の顧客」といった分類です。
②分類ごとの提案内容・レベル、対象組織・人の設定
以前のコラムで解説した「3段階の顧客提案」を参考に、分類別・顧客別に段階ごとの提案内容・レベル、顧客の対象組織を検討します。相手組織によって提案段階ごとの情報開示レベル、顧客との関係性が異なるので注意しましょう。
③提案の優先順位を決める
対象顧客の分類を考慮して提案の優先順位を設定し、その上で順番を決めます。提案活動の前半が市場全体の情報収集であれば、優先順位の低い顧客から提案していくのもよいかもしれません。しかし市場競争が厳しく、できるだけ早くターゲット顧客との関係性を構築しなければならない場合は、ターゲット顧客を最優先すべきかもしれません。こうしたことは市場の状況から組織全体で判断する必要があります。
④提案窓口の設定とアポイントメント
自社の提案窓口となる人を設定します。顧客との関係上、プロジェクトメンバー以外の人が提案窓口になる場合もありますが、その際はその人にプロジェクトの趣旨などを十分に理解していただかなければなりません。過去に取引など何らかの関係がある顧客については、その履歴を確認して慎重にコンタクトするよう、関係者とよく連携してください。訪問するメンバーが決まったら、各々のスケジュールを確認して顧客のアポイントメントを取ります。
⑤提案の実施と結果の共有
一連の顧客提案を開始したら、提案の都度、顧客と議論した結果をプロジェクトメンバー全員で共有します。顧客との議論を振り返り、提案のレベル・内容、優先順位などを柔軟に見直すとともに、この段階で仮説検証と修正を始めてもよいでしょう。顧客や市場の情報の理解が進むにつれて、技術マーケティング戦略仮説も変化していくはずです。