第2段階:バリューチェーンの検証
第1段階でヒアリングした内容に基づいて顧客経験価値や製品・サービス仮説を修正し、それを再提案・再ヒアリングします。また、その製品・サービス提供のためのバリューチェーンを提案し仮説検証します。
バリューチェーン仮説の検証では、主にプロセス上の自社と顧客の役割分担を検証します。開発要望、仕様決定、製造のための発注情報、納品、物流、品質保証、アフターサービスなどを自社が行なうのか、顧客が負担するか、などです。これらは収益に大きな影響を与える重要事項ですので、以下のような点を中心にヒアリングしていきます。
■自社側バリューチェーン
・製品・サービス仕様の決定(製品・サービス企画開発プロセス)
・基本仕様、バリエーションなど
・仕様決定プロセスの確認、要望
・仕様決定リードタイム
・仕様変更の方法、コスト負担
・製品(・サービス)の製造
・原材料仕様、品質などの調達
・製造場所、製造環境(規制・法令含む)
・製造方法
・コスト管理、コストダウンスケジュール
・物流
・納期
・納品場所、方法
・物流方法(温度管理など)
■顧客側バリューチェーン
・顧客の製品開発、仕様
・顧客の製品製造方法、場所
・顧客のブランドイメージ
・顧客の製品販売・販促方法
・製品・サービス瑕疵責任
第3段階:エコシステム・ビジネスモデルの検証
以前のコラムでも解説した通り、エコシステム・ビジネスモデルとは、顧客経験価値を創造するための他社や顧客との連携の仕組みです。この第3段階では、自社の技術マーケティング戦略仮説で企画したエコシステム・ビジネスモデルによる連携の仕組みが、顧客にとってメリットがあるものかどうかをヒアリングします。顧客以外の連携パートナーとして具体的な企業名を挙げるかどうかは、慎重に判断しなければなりません。
バリューチェーン同様、エコシステム・ビジネスモデルに関する提案も、顧客の業務の範囲を変える可能性がありますので、与えるインパクトはより強くなります。例えば、EC(Electronic Commerce/電子商取引)やEMS(Electronic Manufacturing Service/電子機器受託製造)などを提案する場合、顧客と自社はこれまで商取引のみの関係だったものが、顧客が自社の情報プラットフォームを活用したり、製品・サービスを共同開発したりする関係になるかもしれません。つまり、顧客のビジネスモデル、さらにはエコシステムまで変化させる提案になる可能性がありますので、より慎重な姿勢で取り組む必要があります。
エコシステム・ビジネスモデル仮説検証におけるヒアリング項目は、以下のようになります。
■自社の構想するエコシステム・ビジネスモデル仮説
・エコシステム・ビジネスモデルの狙い、顧客経験価値、全体像
・エコシステム・ビジネスモデルの主なプレイヤーとその関係
・顧客の新たな役割
・自社や他の重要パートナーの新たな役割
・情報・モノ・お金の新たな流れ
・エコシステム・ビジネスモデルとしての競合陣営との差別化
■顧客が想定する機会およびリスクとその対応策
・エコシステム・ビジネスモデル導入による顧客の業績アップとその理由
・顧客の製品・サービス価値の向上、顧客経験価値アップ、バリューチェーンの生産性アップ、コスト削減、そのほかブランド認知や情報力のアップなど経営全般のメリット
・顧客の役割変更に伴う顧客社内の組織体制の変化による機会とリスク
・顧客のパートナーとの関係変化による機会とリスク
・顧客が新たに負担するコストの変化による機会とリスク